ウェブコンサルタントになるには(大阪会場)に参加した感想その1【2014年2月15日】

今回は2014年2月15日(土)に大阪で開催された「ウェブコンサルタントサミット 001 | ウェブコンサルタントになるには(webconsultant.jp/summit/)」というサミットに参加した感想です。

 

参加した理由

今年から個人事業主となり、今後の参考やヒントになればと参加させて頂きました。また、こうした”マニアック”なサミットが大阪で開催されることは貴重であるため。

 

1.「ウェブプロフェッショナルはゼネラリストであれ」

登壇者:株式会社ゴンウェブコンサルティング(www.gonweb.co.jp) 代表取締役  権成俊(ごん なるとし)

 

権氏の会社はコンサルティングサービスや執筆(ECサイト「4モデル式」戦略マーケティング [新版]Google Analytics経営戦略 など)・セミナー(年60回、最近では1回につき6時間、対象は経営者・WEBプロフェッショナル・WEBマスター)を行っています。

また事業内容としては、消費者の行動変化への対応(ネットの活用を集客だと考えている人が多いが、集客はネット活用の一部であり、本当はもっと大きな意味があると考えている)

 

・インターネットの登場で、消費者はたくさんの情報を手に入れることになる。これにより、全ての産業で今までとは違う行動をするようになっている。

・昔は、不動産屋さんは駅前にあるだけで、たくさん契約がとれたが、今では消費者はインターネットで不動産物件を探すようになる。気に入った物件があれば、その物件を扱っている不動産屋さんに後から行くというシナリオ。

 

また検索エンジンの検索結果で単に上位表示していればいいというわけではなく、同じような物件を扱っているサイトは数多くあるので、自分たちにしかない独自の物件を持っているところが強くなってきている。このことから駅前に不動産屋を出すということが、商売の発展にはならなくなっている。

それよりかは、オリジナルを物件を持つ、もしくはネット上でそれぞれの不動産屋さんの物件を選んでもらう理由を作らなければいけなくなってきている。

 

・価格が安くて量販店の中でも大きなシェアを有しているヤマダ電機も同じ。何年か前からAmazonや価格.comなどの価格にあわせてくださいという要望がユーザーから増えてきた。だんだんAmazonや価格.comなどにシェアを奪われる。

・この影響をうけて、最近Amazonや価格.comなどの価格にあわせますということを行ったが、3ヶ月で決算が赤字になる。今までは量販店が選ばれる理由は”安さ”だったが、これからはそれが通用しない。

 

ネット上で全てのお店で価格比較ができるので、常に全ての商品で最安値でいることはできない。価格競争でやっている限りは、量販店の復活は難しい。そのため、ヤマダ電機では、接客などで付加価値をつけるなどの努力をしている。今までの論理では勝てなくなってきている。

 

・ネットで消費者が情報を手に入れることで、従来とは違う軸で競争しなければいけなくなってきた。

・そこで新しい軸を見つけ、強みを作り、ネットでそれを発信、もしくは発信しなおす。これが権氏が考えているウェブ活用であり、消費者の行動変化への対応支援。

・ゴンウェブコンサルティングでは、数年前にSEOやリスティング運用代行を行っていた時に、上位表示・アクセス対策を行っても売れないものは売れないと悟った。上位表示はプロセスに過ぎない。

・それぞれのクライアントのお客様(ユーザー)がどんな行動をしているかを理解して、事業モデル自体を一緒に考えるところからスタートしないといけない。考えた結果に、このままでいいと思うことがあるけど、ほとんど場合は作りなおす必要がある。

・事業そのものを作りなおして、そのあとでWEBサイトを作らないと意味がない。

・クライアントに選ばれる理由を作ること。選ばれるには”部分”ではなく、”全体”を知らなければならない。クライアントのサービスが良いのか悪いのかを一緒に議論しないといけない。その時はクライアントから信頼されなければいけない。そのためは”WEBの専門家”というだけではいけない。

 

経営者と同じ視点で、クライアントの事業にとって、本当の消費者は誰なのか、競合は誰なのか、差別化するにはどうしなければいけないのか?一緒に議論できる関係にならなければいけない。向き合うことが必要、同じゴール、成果を目指す。これはけっこう大変。

成果を出すために必要なことは、これ以上WEBの専門知識を増やすことではなく、専門知識以外の領域を学ぶことが本当に成果につながると権氏は考えている。

なので、今はスペシャリストではなく”ゼネラリスト”になれ。

 

ゼネラリスト(ジェネラリスト)とは?

広範囲にわたる知識を持つ人のこと。企業においては総合職を指すことが多い。また、各種のプロデューサーはジェネラリストとみなされる事が多い(一つの企画に対して、芸術性・商業性など多方向からの視点を持ち合わせ、責任を有して可否を決定する必要があるため)。

 

ジェネラリスト - Wikipedia

 

・ウェブプロフェッショナルに言いたいのは、全ての企業が求めているのはアクセス対策などではなく、クライアントの事業をネット時代にフィットさせて、より新しいもの(新しい切り口)を創造していくこと。創造していくのは単独ではなく、クライアントと一緒に創造する。

これはなぜかというと、ネットが浸透したことによる消費者の変化があるから。ネットによる消費者の変化により詳しい人(ウェブプロフェッショナル)がリードすべきである。

ウェブ業界を次の段階へ引き上げましょう」という言葉で締めくくった。

WEB業界とは関係ない方が仰っていたことですが、「小さな変化がやがて大きな変化を引き起こす」ので、私がこうしてブログで記事にすることによって、次の段階へ引き上げるキッカケになってくれればいいなと考えて、今回のサミットの感想を書きました。

 

2.「制作屋の僕がコンサルになった理由」

登壇者:SEO検索エンジン最適化 運営(www.searchengineoptimization.jp) 住太陽(すみ もとはる)

 

住氏は、制作を本業としていた。去年(2013年)から完全にコンサル業の方へシフトした。ウェブコンサルタントになるには(大阪会場)の登壇者の中では、新米とのこと。

元々はWEBデザイナーとして独立(1999年)しており、当時はFlashを使って制作していた。

2000年頃に「SEO」と出会い、制作の中にSEOを取り入れる。それまでは、検索というものを考慮していなかったが、出会ったことで検索というものを強く意識するようになったとのこと。

2002年には、SEO検索エンジン最適化(www.searchengineoptimization.jp)を公開し、その年の秋に日本で初めてSEO書籍となる「アクセスアップのためのSEOロボット型検索エンジン最適化」を出版した。

今ではSEOの書籍は、いくらでもあり、SEOを知らない人はほとんどいないが、当時は、住氏自身にライターの能力があるのかわからないし、本を出版するための会議では、SEOと呼ばれる誰も知らないものの本を出して売上がどれくらいなるのか分からないなどとなり、出版が難航したという。

しかし、SEOのサイトを公開してから、早い段階でものすごいアクセスを集め、出版した本もよく売れ、SEOの普及に貢献した。

そんなこともあり、2004年頃には、コンサルの依頼が時々来るようになる。

コンサルの依頼があったものの、仕事の中心は制作であり、元々あるサイトを検索者の目線からリニューアルすることを続けていた。

制作をおよそ9年ぐらい続け、2013年に今まで制作を中心(手間賃)にしていたものをコンサル中心(相談料)に変えていく。

 

・どうしたら、コンバージョンがあがるのか?どんなコンテンツを作れば良いのか?などをクライアント・知人等から質問されることが多いと思うが、これがコンサルである。

質問されて、質問した人と一緒に考えて、答えを導くのがコンサルである。

質問する人は、質問された人に一緒にプロセスを踏むことに値打ちがあるから、質問される。この人に聞いても値打ちがないと判断されれば、質問されない。

質問をうけるということを、認識して、活かしていくべきではないのか?

 

大阪会場では、制作者が大半で、年齢層が高く、ベテランが多いということで、値打ちの中心は手を動かして何かをするのではなく、質問されて適切な答えを出すことであり、これからそれを活かしていくべきではないのかをとといかける。

 

・2004年のブログブームがあり、CMSが普及するようになる。CMSの導入が進むと、日々の更新作業などは、クライアントが思いついた時に主体的に実施するようになっていく。

・これまで住氏はクライアントのサイトの更新作業などで手間賃をもらい仕事をしていたが、サイトを運用していくアドバイスなどが求められるようになる。

 

住氏は、SEOのサイトを運用しており、経験なども豊富なウェブマスターであり、クライアントの相談相手に最適であった。

クライアントは住氏にアドバイスなどをもらい、成果を上げていく。

相談というのは手間賃が発生しない。住氏自身は、製作者(手間賃仕事をする人)と定義していたため、手を動かさない部分(相談)は無料で行っており、相談の割合が高くなっていくにつれて収益が下がっていく。CMSの導入などにより作業の効率化が進み、制作の仕事でもらえるお金が少なくなっていった。

 

・住氏がアドバイスしたサイトはうまく運用が進み、感謝されるが、相談には無料で受けていたため、お金がもらえなかったという。

・制作以外の仕事(サイトの広告収入・書籍の執筆・セミナーなど)が収入源となっていった。

・10年前とは時代が変わった、課題の変化だけではなく仕事の見直す必要があった。

・今までの経験を活かし、需要のある仕事として最初に考えたのが企業内のウェブマスターで、幅広い知識と経験が必要で若い人には負けにくいが、長年フリーランスをやってきている人には厳しい。

・次に考えたのがコンサルタントである。住氏が考えているコンサルタントというのは、”ウェブマスターのよき相談相手”とのこと。ウェブマスター向けにサイトなどで情報発信もしており、信頼や実績もあり、住氏に相談したいウェブマスターは多いので、最適な仕事だと考えた。

・コンサルタントは最適だったが、従来のクライアントがおり、今まで手間賃だけでやってきたものを、いきなりコンサル料にしますというのができなかったという。

・これがコンサルにシフトできなかった原因であり、長く間悩んでいたが諦めて従来のクライアントは、今まで通り手間賃のみで、相談は無料でうける形で、新規は全てコンサル契約にしていく形に変えた。

・新規獲得については、住氏はサイト運用のプロであり、新規顧客をつかまえるのが得意中の得意であった。

サイト運用に関する相談は多く、サービスを供給しているところは少ない。また、経験や実績が豊富であるまともなコンサルタントが少なく、経験や実績が豊富なコンサルタントは急には増えない。

・これらを踏まえると、サイト運用の知識と経験と実績は最高の強みである。「このサイトの運営者に相談したい」と思わせるようなサイトを運用していくと良い。

・業界歴の長い人は変化に強い。特に異業種からWEB業界に入ってきた人。

・クライアントから運用について相談される人は、コンサルへの業態転換は悪くはない。需要は全国にあり、特に地方にいけばコンサルタントの供給がほとんどない。

 

最後に

次回、アナグラム株式会社 阿部圭司氏と、株式会社LATERAL 北村錬充氏の感想を今週中に公開予定としております。

 

 

その他
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