書籍「インターフェイスデザインの心理学」を読んだ感想です。

本書

本書は、かなり大きいです。

Nexus7(タブレット)との比較

タブレット(Nexus7)と、本書を比べてみると、本書が分厚いです。分厚い分、濃厚な内容となっています。

本書は残念ながら、Kindle版(電子書籍)は購入できない。持ち運んで、アイディアの参考にしたい場合は、不便です。

 

1章 人はどう見るか

私達は、目から入る情報がほとんどです。入った情報を脳が処理して、感じ取ります。

目から入った情報をそのまま全て脳が処理して送ってくれると考えられています。実際は、脳が処理して伝えたものと、目から入る情報が異なっていることを本章では解説してくれています。

目から入る情報は全て「解釈」が加えられている。

解釈とは、

物事や人の言動などについて、自分なりに考え理解すること

https://kotobank.jp/word/%E8%A7%A3%E9%87%88-42466

自分というのは、生まれてから現在までの間に、外部の人間からいろんな影響を受けている。その影響を受けて、自分という人格が形成されて、自分なりの考えで理解するようになると考えられる。

その人の人格や基本的な性格が形成されるのは、

0才~3才、または6才位までの両親または養育者との関係に起因します。

(一説には、特に母親との関係が殆どを占めるともいわれます)

また、最近の脳についての研究では、子宮の中にいる間と

誕生後最初の6年間の幼少期の間に、

人の性格の90%が形成されると指摘されています。

http://www.salon-celest.com/c-page/oya/surikomi.html

他に気になるポイント

・脳は近道を創り出している。

脳は、受けとった情報を入力から辻褄が合うようにしようとしている。

例:カニッツァの三角形

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%84%E3%82%A1%E3%81%AE%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%BD%A2

見ている部分以外に、実際には見えていない部分も創りだそうとしている。

・ウェブページを閲覧する人は、予想や期待と違った見方をする時がある。

・表現の仕方次第で、自分が希望する捉え方をしてもらえない場合がある。

・視野には「中心視野」と「周辺視野」の2種類がある。

人間は、周辺視野で動く物を異常とらえ、中心視野でその詳細を把握するステムが備わっています。

http://www.pref.tottori.lg.jp/192743.htm

・人は、過去の経験に基づいて画面を見る。ウェブサイトを見るときは、どこにどの情報があるか予想しながら見ている。(メンタルモデルに基づく行動)

 

2章 人はどう読むか

人は、何かを読んでいる時に、目でページを滑らかにたどっていくのではなく、短い時間止まって素早く急なジャンプを繰り返している。これは英語だけでなく、日本語やその他の言語でも同じ。

他に気になるポイント

・”読む”と”理解する”は同じではない。文章を読むときは、文字や単語を読み取り、その後意味をとっているわけではない。次にくるものを予測する。読者にあらかじめ知識が多いと、次にくるものを予測しやすくなるので有利。

・読んだ内容について理解する・記憶に残るということは、読んだ読者の過去の経験や観点などに影響される。

・読者が、ページを読み、その中の情報を必ず記憶すると決めつけてはいけない。

・読みにくいフォントを使うと、文章の意味が欠落する。内容が理解しにくいと判断されてしまう。

・ウェブ(PC)上での読み物は、紙に書かれた読み物より読みにくい。目の負担をかけないように大きめのフォントを使うと良い。

・ウェブ(PC)上で、伝える内容は読む価値のあるものにする。読者にとって、興味の深いものであるかどうかが重要。これはSEOでも同じことが言える。

 

3章 人はどう記憶するのか

ワーキングメモリ(作動記憶・作業記憶)に覚えておける情報は多くはない。すぐに忘れてしまう。情報を溜めておくためには、集中しなければならない。集中することとワーキングメモリは密接に結びついている。ワーキングメモリは、ストレスにより悪影響をうける。

・ワーキングメモリを向上させるためには?

ワーキングメモリ向上に有酸素運動が効果的。効果的ではあるが、有酸素運動により体内で活性酸素が増加する。活性酸素が増えると、肝臓の機能低下が起こり、疲れやすくなったり、やる気がなくなったりする。活性酸素活性酸素を除去するには、トマトジュースを飲む。トマトジュースには、精力増強や免疫力向上の効果がある。

http://workingmemory.hatenablog.com/

他に気になるポイント

・人が1度に記憶できるのは5個から9個まで。1度に処理できる情報も5個から9個まで。現在の研究では4個までとなっている。

・長期記憶で、呼び出せる記憶も4つまで。

・人は記憶に頼らないようにするため、メモ・リストなどの脳以外の手段で記憶することが多い。

・ユーザーに覚えさせるには、何度も繰り返す必要がある。提供する情報の図式をユーザーが既に持っているなら、提供者の情報の中に図式を示す。図式を示すことで、既にユーザーの持っているものと結びつき、情報の学びや記憶が容易になる。これは、共通点が多い男女が惹かれあうのと似ている。

・ユーザーインターフェイスは、人が記憶する際の負荷を軽減するように改良されてきたものが多い。

 

4章 人はどう考えるのか

脳が1度に処理できる情報は少ししかなく、段階的開示を行うことで、情報の量の多さに圧倒されてしまうのを防ぐことができると解説されています。

段階的開示を行うことで、利用ユーザーのクリック数は多くなる。詳細な情報にたどり着くまでのクリック回数は少ない方が良いと言われているが、クリック回数は重要ではない。

段階的開示は優れているが、ユーザーがどんな情報を求めているのか理解しておくことが大事。前もって調査する必要がある。

他に気になるポイント

・人は限られた時間の中でしか作業に集中できない。

・人がネットサーフィンを好む理由は、限りられた時間しか集中できないので、ハイパーリンクなどで繋がっていれば、移動しやすく散漫な行動ができるから。

・人の信じていること、考えを変えるのに、時間を費やすのは無駄。人は、生まれてきてから現在におけるまで、外部の人間(親、上司、友達など)から様々な影響を受けています。それを変えようとするのは難しいです。

・信念を変えるには、ちょっとしたことをやってみるように仕向ける。”鉄は熱いうちに打て”、”雨垂れ石を穿つ”に似ている。

・どんな人でもメンタル・モデルを持っているが、全ての人が同じメンタル・モデルを持っているわけではない。

・物語は、人が情報を処理する際に最も適している形である。漫画や小説、ドラマといったものの物語は、単なる娯楽ではない。相手に伝えるようにするために、応用すると理解しやすく、覚えやすい。

 

5章 人はどう注目するのか

人の注意力といった部分を解説しています。

気になるポイント

・人は無意識に特定の情報を選別する。

・思い込みには注意。本人(運営者など)はわかっていても、ユーザーにはわかっていない可能性もある。これはSEOでも重要なことである。検索者のことをどれだけ理解できるか、求めている情報は何なのかを常に考えていく必要はある。

・手順を何度も繰り返し行なっていると、習慣化し、自然とできるようになる。

・人の注意力は7~10分しか持続しないことを頭に置いておく。これ以上、持続したい場合は、新しい情報を提供する・休憩する。

 

6章 人はどうすればヤル気になるのか

ヤル気が起こる仕組みなどについて解説しています。

人は目標に近づくほどに、達成しようとする目標までの行動が早くなり、ヤル気も起きます(これを目標勾配と呼ぶ)。つまり、目標までのマイルストーン(道しるべ等)設定が重要となります。目標までの道のりを細かくしていくと良いです。

日々の毎日の中で、ちょっとした目標でも達成できると思うと嬉しいものです。「例:今日は○○円までしか使わないと決めていたけど、途中で立ち寄ったお店でセールをしていたので思ったよりも安く済んだなど」

他に気になるポイント

・情報を見つけやすくすると、ユーザーはもっと知りたいという欲があるのか情報を探索しようとします。これは、ドーパミンの効果によるもの。

・提供された情報にもよるが、情報に追加された情報があると、さらに情報を得ようとする情報探索行動が増えます。これは、問題を解決したいという欲求があるのではないかと考えられる。

・特定の情報を知りたい・得たい場合、その情報に辿り着けないと、人はますますその情報を探索しようとする。これは検索エンジンで利用者が、特定の情報を知りたい・得ようとして、見つかるまで繰り返し検索して辿り着こうとする行動に似ている。まさに”情報検索中毒”とも呼べる。

 

7章 人は社会的な動物である

SNSや身近で知り合った人たち(友達・家族・会社の仲間など)のネットワークは何人で構成されているかなど、人の社会集団について解説しています。

気になるポイント

・社会的な関係にある人の人数には限界がある。

・集団を構成するメンバーの人の上限は約150人である。ソーシャルメディアを介して150人以上を介してる場合は、関係性は弱い可能性がある。

・ソーシャルメディアでのやりとりは”弱い繋がり”と、”強い繋がり”を意識する。

・オンラインでの交流は、利用ユーザーがどのような反応するのか、やりとりがどのように行われるのか、ある程度想定して行われている。

・笑いは伝染病のように感染していく。いわゆる「つられ笑い」。

 

8章 人はどう感じるのか

人はロボットではなく、心があり感情によって行動が左右されることがほとんどです。その人の感情について解説しています。

人の感情はどの国でも同じと言われています。喜び、悲しみ、軽蔑、恐れ、嫌悪、驚き、怒りの7つあります。

他に気になるポイント

・情報の中に感情に訴えかけるものがあれば、人は反応する。記憶に残りやすくなる。

・感情に訴えかけて、共感できるものがあればベストである。

・人は今までになかった斬新なもの、新しいものに対して注意をひく。

・人は信用できないものの判断をすぐに下すことができる。

・ブランドは、利用したブランドなどに対して過去の経験から、安全であるという信号を送る。

 

9章 間違えない人はいない

人はまったくミスは犯さないわけではない。前もって起こりうるミスを内容を考えておく必要があるといったことを解説しています。

気になるポイント

・ストレスを感じると、同じようなミスでも何度も起こしやすくなってしまう。プロでもストレスを感じると足を引っ張ってしまうことがある。

・設計や制作者からすると、利用者にはミスは起こってほしくないが、起きてしまうものだということを認識する。

 

10章 人はどう決断するのか

人が決断する際には「無意識」が深く関わっていることなどを解説しています。

気になるポイント

・相手から行動の理由を聞いても、それが本当かどうかはわからない。無意識に決断が下されるため、本人さえ本当の理由に気が付いていないことがある。

・無意識での決断ではあるが、本人は決断した理由に合理的なものなどを必要とする。

・無意識は意識よりも早く反応する。

・現在は、ネットの普及で、情報が簡単に共有できて、広がりも早い時代。意見が自由にできるもので、集団になると不的確な決定を下してしまう恐れもある。

・だれでも無意識で影響を受けてしまうもの。

 

感想

本書のタイトル通り、インターフェイスデザインに関することが書かれています。インターフェイスデザイン以外にも、WEB全般(サイト制作・SEO・SNSなど)で参考になるところが多々ありました。

また心理学は、人が生きていくために必要な学問でもあります。本書には、日常生活にも活かせる情報が詰まっています。

 





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