今回は、貴方のウェブサイトに”寄り添う”「Googleウェブマスターツールの教科書(著者:大本 あかね、菊池 崇)」の感想です。
本書は、現在Kindle版(電子書籍)ではなく、紙媒体のみで販売されています。私は、紙媒体の書籍を購入しました。
購入した理由
これまでにSEO関連の書籍は数多く読んできましたが、書籍で「Googleウェブマスターツール」とタイトルでウェブマスターツールをメインとしているものは、本書以外に知りません。珍しかったため、興味をそそられ購入しました。
1.検索エンジンについて理解しよう
この章(Chapter)では、検索の仕組みや検索ロボットの種類、アルゴリズム・ドメインエイジ・ページランク、アルゴリズムの変化などについて解説されています。
私が気になったのは、
検索ボックス(窓)のことを、「ゴーグル」と呼ぶと書かれています。ゴーグルというのは、Googleが開発した画像検索用のモバイルアプリケーションのことを指すはずです。(https://support.google.com/websearch/answer/166331?hl=ja)。検索ボックス(窓)のことを「ゴーグル」と呼ぶというのは、私にとっては初耳です。私の方が間違っていたら、すみません。偉い先生、教えてください。
Google検索でのインデックスのための方法も書かれています。指定URLとして「https://www.google.com/webmasters/tools/submit-url」が掲載されています。補足するなら、事前にGoogleアカウントを作成する必要があるといったことが書かれていません。この「URLのクロール」(https://www.google.com/webmasters/tools/submit-url)のページで、URLを送信したとしても、必ずインデックスされる保証はないということも書かれていません。
既にGoogleウェブマスターツールに対象のウェブサイトを追加しているのであれば、「Fetch as Google」という追加したウェブサイト内のURLを取得し、インデックスを送信できる機能を使われると良いでしょう。こちらも、URLを取得し、インデックスを送信しても必ずインデックスされる保証はありませんが、比較的インデックスされます。
中古ドメインの購入にも触れています。購入する際は、どのようなサーバーかチェックして購入した方が良いと書かれています。中古ドメインを購入すると、元のサーバーとは別のサーバーに変更されるため、サーバーをチェックすることに意味があるのか不明です。(自分が借りている・所有しているサーバーで管理することになる。)
ただ、大量のスパムサイトを運営するサーバーを丸ごとインデックス削除することはあります。(参照:米Google、「大量スパムサイトを運営するサーバは丸ごと削除する」と明言」
検索するユーザーの過去の検索履歴を基づき、興味や関心事にあわせて検索結果で適切なものを返すパーソナライズについて書かれています。ここでは、パーソナライズがかかっていない状態を調べる方法として、コントロールとコマンド+Shift+Nでログインしていない状態を表示できるとあります。実際に、Google Chromeを起動させてた状態で試してみると、シークレットモードになります。
Firefox とInternet Explorerも起動させた状態で試してみましたが、これはログインしていない状態を表示することはできませんでした。(環境はWindows8.1です。)
2.知らされないでは済まされない!スパムをまず理解する
この章ではスパムやその種類、Googleのガイドラインについて解説されています。実際にGoogleのガイドラインに違反し、ペナルティとなってしまった例も公開されています。
スパムをチェックするために、Googleウェブマスターツールで「手動による対策」ビューアの見方が書かれています。
ここで補足するのであれば、「自サイトがスパム判定されるとウェブマスターツールが届きます」とありますが、あくまで”手動でウェブスパム対策を適用したもののみ”が「手動による対策」ビューアで確認できます。
アルゴリズムで検出されて、自動でウェブスパム対策を適用(処理)されたものは、「手動による対策」ビューアでは確認することはできないです。
スパムを理解し、重要なリンクのについての理解を深めようということが書かれています。この中で「リンクプログラム(スパム)は、リングビルディングとも言われています」とあります。
”リングビルディング”ではなく、”リンクビルディング”ではないかと思われます。恐らくこれは発音の違い等ではないでしょうか。”リング”っていうと、私のイメージでは映画「リング」貞子のテーマというイメージです。
貞子のテーマ(feels like “HEAVEN”)の歌詞では、有名な「来る~、きっと来る~」という言葉があります。リンクビルディングは、「きっと来る」のを待ち望んでいるのではなく、こちらから行動し被リンクを得ていくものです。
ちなみに、リンクビルディングというのは、検索エンジンでのウェブサイトの評価に必要な被リンクを得ることです。リンクビルディングには、故意に自らの意志で作り出していくもの(相互リンクやディレクトリ登録など)、自作自演が含まれます。
自作自演等ではなく、コンテンツを制作・公開することで、読者・訪問者が観覧し、感情にうったえかけることで、反応とし被リンクを得るものや自然に被リンクを得られるように戦略をめぐらすことも含まれます。ここでは”これらを自然に獲得できること”としています。
3.Googleの新しいアルゴリズム
この章では、ペンギンアップデートやパンダアップデート、ペナルティ対策やハミングバードなどについて解説されています。
パンダアップデートについては、「具体的には品質の低いリンクの無効化を計るもので、コンテンツの品質が低いとされるサイトの無価値化・・」といったことが書かれていますが、品質の低いリンクの無効化といったものは、ペンギンアップデートのことです。
パンダアップデートでは、テストサイトも重複コンテンツになるのか、その対処法について書かれています。
ペナルティ対策では、ウェブスパム対策の対処(リンクの否認やrel=”nofollow”の設置など)について解説しています。ネガティブSEOについても触れています。
4.ウェブマスターツールの見方と使い方
本書「Googleウェブマスターツールの教科書」のようやく本題です。この章では、ウェブマスターツールの検索クエリやエラー状況(重複コンテンツ)、ロボットの巡回などについて解説しています。
XMLサイトマップを利用してインデックス数を上げていこうという内容があります。この中で、 XMLサイトマップの記述で「優先度(Priority)」のことが書かれています。
サイト内で、最も優先すべきものは「1.0」、トップページ以外は「0.5~0.8」、その下のページ(下層)は「0.4~0.1」に設定しますといったことが書かれ、同じレベルのページがあった場合は、優先度が高いが表示されやすいとあります。優先度(Priority)は、相対的な重要度を示すもので、検索のランキングには関係ないです。
404 Not Foundの設定についても解説されており、Googleでは404エラーのカスタマイズを推奨。404拡張ウィジェットのカスタマイズについても触れています。404拡張ウィジェットをカスタマイズすると、検索ボックスが表示されるため、アクセシビリティが向上するとあります。本書では日本語ソースが記述されています。(カスタム 404 ウィジェット:https://support.google.com/webmasters/answer/136085 ※削除されている模様です)
5.正しく表示させるための正しいHTMLの基礎知識
この章では、HTMLの基本(構造・マークアップなど)やタイトルタグの付け方、メタディスクリプションの記述方法等が解説されています。
マークダウンの記述についても、参考例を載せて解説。
Googleウェブマスターツールを使用する際には、タイトルタグの付け方やメタディスクリプションの記述方法を知っていた方が良いです。ウェブマスターツールはあくまでも”ツール”。改善や修正を自動で行ってくれるものではありません。
6.スマートフォンサイトの上位表示
この章では、スマートフォン用のサイトを作成する際の注意点などについて解説されています。
レスポンシブWebデザインやモバイルファーストにも触れています。
本書では、当ブログでも公開したGoogleウェブマスターツールにウェブサイトを追加すると、「モバイル ユーザビリティ上の問題が検出されました」という通知が届くといったことは書かれていません。ですが、今後検索エンジンからの流入を増やしたいといった場合には、スマートフォン用のサイトを用意しておいた方が良いです。検索者側からしても、使いやすいです。
章の最後も書かれていますが、作成が完了した後は、実機(実際のスマートフォン)での環境下でテストを行い、問題発見・改善により、ユーザーの使いやすさやを追求されてると良いです。
7.パフォーマンス
この章では、パフォーマンス(サーバー・OS・Webページ)や改善などについて解説されています。
サーバーのパフォーマンスについては、ウェブサイトが表示されるまでに”2秒”を狙うべしということが書かれています。
ちなみに、当ブログサイトでは、GoogleAnalyticsの「行動」から「サイトの速度」の「サマリー」を確認すると、平均読み込み17.77秒かかっています。Pingdom Website Speed TestやGTmetrixといったページ速度チェックツールで調べると、LoadTimeが5~6秒かかっています。
この章では、サーバーのレスポンス改善も紹介されていますので、ウェブサイトの速度を改善されたい場合は参考になります。
8.GoogleマイビジネスとGoogle+で流入を増やす
この章では、Googleマイビジネスの紹介やGoogle+の活用などについて解説されています。
ローカル検索におけるサイテーションの影響やピジョンアップデートについても触れています。ピジョンアップデートの適用は、ローカル検索・Googleマップにも影響を及ぼします。ちなみに、似たようなアップデートに、”ベニスアップデート”があります。
ベニスアップデートは、地域依存の高いキーワードを検索した際に、検索した場所を基礎とし検索結果で適切に表示させるものである。(アルゴリズムといったものに基づき、表示させる)
このアップデートは、日本において正式に実施されたという情報はありませんが、近いものがアップデートされたと行われたとされており、いずれ日本でも正式に実施されるものであると予想される。
ピジョンアップデートは、ローカル検索結果全体(Googleマップも含む)の品質を改善し、ユーザーが検索した場所から近い地図を検索結果で表示できるようにするといったものである。
こちらのアップデートも、日本において正式に実施されたという情報はありませんが、いずれアップデートが実施されると予想される。(アルゴリズムといったものに基づき、表示させる)
感想
「頼られるWeb担当者になる!Googleウェブマスターツールの教科書」を読んでみましたが、ウェブマスターツールのことばかり書かれているのかと思えば、そうではなかったです。
ウェブマスターツールを登録し活用するのであれば、本書に書いてあるウェブマスターツール以外のことも頭に入れておく必要があります。
登録する前に、ウェブマスターツールを使いたい・利用したいとなるには本書以外に記載されている情報で、ウェブマスターツールの機能などを理解する必要があります。
(オフトゥンで、Googleウェブマスターツールの教科書と添い寝する図)
理解させようとする気持ちや理解しようとする気持ちといったものがあれば、それは恋と似た感情に発展し、ウェブマスターツールとウェブサイトが寄り添う関係になるでしょう。
ウェブマスターツール自体はあくまでツールなので、それ以上でもそれ以下でもありません。ウェブサイトと一緒に歩んでこそ、本来の機能が発揮できると思います。
逆にウェブサイトのみでは、Google検索から流入を増やしたいといった時に、指標や目印となる情報がありませんので、SEOを進めていく上で困ってしまう恐れがあります。(決定といった部分)
GoogleAnalyticsといったツールはあるものの、Analyticsはアクセス解析ですので、検索結果でのサイトのパフォーマンスを観察する場合には、ウェブマスターツールが有効かと思います。
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